#20 ボートレース若松

 

行く

ボートレース若松は九州に5つあるボートレース場の中で最も東に位置しており、北九州工業地域(社会の時間で習う奴ですね)のど真ん中、洞海湾に面した場です。

最寄り駅は筑豊本線の「奥洞海」(おくどうかい)駅となっており、駅の位置だけを見ると戸畑・若松方面から行けるのではないかと思うのですが、若戸大橋の近くを渡る路線はありません。鉄道ならば折尾からしか行けないようです。

車であれば若戸大橋を渡れるので小倉方面からはダントツに近いルートになるでしょう。車が無い場合、若戸大橋近辺に北九州市営の渡し船「若戸渡船」が存在します。100円らしいです。場所は若松駅・戸畑駅から離れており、若松からは徒歩15分、戸畑駅からは徒歩7分だそうです。ちょっと初見だと大変かもしれませんね。

ということで基本ルートからはこの行き方を省きますが、まず空路で来た場合は北九州空港になるでしょう。空港からは各方面へのバスが出ており、折尾駅方面のバスを利用します。運賃は820円です。

折尾駅でバスを下りてから筑豊本線(若松線)に乗り換えます。

空港から来たバスは駅の裏手にある停留所に止まります。帰り道についても同様で、同じ場所(の道を挟んで反対)にある停留所から空港行きのバスに乗ることになります。近くのボートレース芦屋に行った場合もこの折尾駅から空港行きバスに乗ることになるでしょう。

筑豊本線は約30分に1本というペースで運行しており、奥洞海駅までの所要時間は10分程度です。

折尾駅から奥洞海駅はご覧の通り、何とも言えない外観です……まあそれはさておき、電車以外のルートとしては戸畑駅・黒崎駅・小倉駅からそれぞれ無料送迎バスが出ています。例えば黒崎駅のバス乗り場は、駅に隣接するバスセンターの一番奥にある5番乗り場になります。

帰りのバスについてですが、戸畑駅・黒崎駅に向かう2ルートの送迎バス路線が用意されています。小倉については行きはありますが帰りはありませんので要注意。黒崎まで行って電車ということになるでしょうね。

バス乗り場は1マーク側の西門から出て歩いて行くと駐車場があり、そこにバスが待機しています。バスのフロントガラスの所に行き先が書いてあるのでよく見て乗りましょう。最終レース後は2便発車します。最終レース直後と閉門後の2便で乗り遅れがないようになっていますので、とにかく閉門までにバス乗り場に行けば大丈夫。

 

場内設備

2004年5月よりナイター開催が始まり、2008年3月より通年ナイターとなったボートレース若松、ここ10年位の話なのですね。すぐ近くにボートレース芦屋があり、選手宿舎を共用していたために同時開催が不可能、若松側に選手宿舎を新設してようやく同時開催が出来るようになったのは2010年の話なのだとか。

場内は東西スタンドに分かれています。東スタンドのほうが新しく、フードコートなどがあるのもこちら。椅子や内装などもボートレースカラーの6色に分かれてカラフルですね。

西スタンドはそれよりは古い印象ですが別に汚いとかそういうことではありません。有料席(ロイヤル席)があるのはこちら。

東西スタンドの間には巨大なホールがあります。ここまで大きいホールは他場でもあまり見ないですね…戸田くらいでしょうか。

そしてこのホールのすぐ脇には艇王・植木通彦記念館があります。(モンキーターンの榎木さんのモデルだよ)現在はアンバサダーとしてボートレース業界の活性化のためにあちこちでトークショーなどされていますね。

ボートレース若松のマスコットは「かっぱくん」で、どうも若松という土地は河童伝説があるらしく、それに因んでなのだとか。他に色違いの河童たちがおり、4人で「かっぱくんファミリー」を構成しています。「ひめちゃん」「わかちゃま」「こひめちゃん」ヒネリ無しのストレートな名前。

ホールには「かっぱくんひろば」というインフォメーション兼売店があり、ボートレースグッズなど買えるのですが…かっぱくんグッズが無いですね…JLC提供の、どのボートレース場でも売っているグッズはあるのですが、若松オリジナルのかっぱくんグッズはぬいぐるみくらいで、ハンドタオルとかマグカップとか、実用的な物は無かったです。悲しい。

西2Fは無料スタンドになっており、1マークの攻防を見たい場合にはこちら。この真上が有料席フロアになっています。ここの座席数はオフィシャルによれば1352席あるとか。

入場する前に駐車場にあったこの目立つ建物、何かと思ったらトイレでした。なぜ駐車場のど真ん中に作ったのかはよくわかりませんが…外向が閉まった後の時間でも利用できるようにという配慮なのでしょうか。あるいは外向オープン前の時間か。

競争水面に出てみると水はボチボチ綺麗そうです。工業地域なのでどこまで綺麗なのかはわかりませんが。

外向発売所「カッパ☆ピア」はボートレース若松の本場と密着しています。

2011年12月に新しい建物としてオープンし、土地柄なのでしょうか、面白いことに場外車券発売所「サテライト若松」が併設されています。競輪発祥の地・小倉がすぐ近くですから公営競技ファンとしてはそちらの盛り上がりもあるのでしょうね。

カッパ☆ピアの中にはコンビニのポプラがあります。公営競技とポプラの親和性も高いですね。

カッパ☆ピアにはハズレ舟券を食わせる抽選機があります。結構あちこちの場にありますね。で、開門待ちで遊んでいる中で調子こいてパカパカ食わせていたら1等が当たったことがありまして、商品は500円のクオカードでした。ボートの景品は大体クオカードですね。なぜなのか。

Wifiについては場外を含む全域で利用可能となっています。

 

さて有料席の紹介です。

ボートレース若松は500円のA指定席と1000円(SG/G1時は3000円)のロイヤル席がありますが、A指定席はSG/G1開催の時しか開放されませんので一般戦の日に行ったならば必ずロイヤル席を使うことになるでしょう。

名前通り座席も結構ロイヤルな感じでゆったりしていますし、なぜか場内庭園があったりと、全体的に雰囲気がロイヤルです。

デスクの上には液晶モニタがありまして手前のコントロールボックスで操作するのですが、これどこかで見たことありますね…そう、平和島劇場にあるのと同じタイプです。チャンネル数が違うのでボタン数も少ないですが。

電源コンセントは無かったように思います。液晶モニタの裏にHDD用のUSBコネクタがあるので、ケーブルがあればそこから給電出来ます。

 その他ロイヤル席のサービスとして、マッサージ機が無料だったり自販機式のフリードリンクがあったり、ゆったり座れるソファーが沢山あったり、ボート雑誌やスポーツ紙が置いてあったり、おまけにフリーおしぼりだったり、もうこれで1000円なら全然いいわ!毎回使うわ!と思わせる程度にお得です。

全体的に見て、コスパ文句なしです。是非利用しましょう。座席はABC列から自由に指定が出来るのですが、最上段のA列は6コースが手前過ぎて見えないなど、少し視界が狭い気がします。B列の30番台あたりが個人的にはオススメかな?と思います。

 

観戦する

ボートレース若松は北九州工業地域を構成する洞海湾に面した場のため、2マーク側が特にそうなのですが多数のクレーンが見えており、工業地帯っぽさを醸し出しています。このクレーンは日本造船鉄工・東洋造船鉄工などの造船メーカーのものですね。

 

天気がどれだけ良くても悪くても、ナイター場ですから夕方になってライトアップされれば美麗な競争水面になります。

ナイターはどこの場であっても問答無用に美しいですね。

ボートレース若松は優勝戦限定ですが、ゴールした後に結構な数の花火が上がります。これを忘れていて「いやーおめでとー」なんて呑気に優勝者に手を振ろうと思ったら急に花火が上がって心臓がひっくり返りました。

 

おまけ:23万舟レースを見る

進入固定レースと言えば124ボックスみたいな所がありますが、このレースもご多分に漏れず1-2-4が3.9倍という偏った配当だったのですが…1マーク2マークで転覆が発生してワチャワチャした挙げ句にそこを差し抜けたのはなんと6号艇…しかもこの6号艇は2連単史上最高配当額579900円を芦屋で叩き出した若手の新海航(わたる)選手。つくづく高配当と縁がある選手です。

この時の3連単配当は6-2-3で237350円!隣に居た知らない人と「いやーこれは無理っすねアッハッハッハ…」と力なく笑うしかなかったですね。なおその人は翌日ハシゴした芦屋でも遭遇しました。お互いボート好きねえ…

 

食べる

ボートレース若松は食べる所が豊富にあり、食事事情は相当に良いのではないでしょうか。

西スタンド側には「洞海うどん」「やきとり かっぱ」の2店舗が食事処として用意されており、売店もあります。「かっぱ」の串もの、かなり良かったですね。その中でも唐揚げ串(1本130円)が妙に美味しくて後を引く!個人的にイチオシです。

洞海うどんも何種類かの麺メニューがあったりします。おやつ価格ですので夕方にサクサクっと頂けます。九州らしく丸天うどんなどもありますね。

イベントホールの最後部、水面寄りの所にも食事処があります。LIETO(リエート) B&Wというカフェ的な佇まい。

ここではピザ等のイタリアンメニュー、酒類や軽食などを販売しています。以前は「グランドホープ」という店舗でカレーやうどん、ラーメン等のスタンダード売店メシ的なものを販売していたのですが、現在は一変していますね。

競争水面側に向いたテーブル席では電源コンセントなども用意されています。

グランドホープ在りし頃の様子。こんな感じの店舗でした。全然変わってしまったね…

東スタンドにはフードコートがあり、「豊ご屋」「麺家まるいち」がレギュラー店舗として、あとは月替り店舗が1つあるという形なのだとか。デザートや酒類は「まぁぶる」で頂けます。

東スタンドのイベントホール寄りの場所には外向発売所でも見かけたポプラがあります。来場者数も多いせいでしょうか、ボートレース若松の食事事情はやはり良いですね。

 

泊まる

ボートレース若松はナイターレース場ですから終わった後に飛行機に乗ってどこかに帰る…というのはほぼ不可能でしょうし、やはり近隣に宿泊する事が多いでしょう。そうなると宿泊地は黒崎駅周辺、あとは小倉駅周辺あたりでしょうか。

翌日にどう動くかで選ぶのが良いかと思います。どちらにせよ選択肢はそこそこありますし、値段もお手頃です。

参考リンク: 黒崎駅周辺のビジネスホテル (じゃらん)
参考リンク: 小倉駅周辺のビジネスホテル (じゃらん)

例えば「翌日は朝早くからボートレース芦屋にハシゴするぞ!」であれば黒崎の方がずっと近いですし「ナイターをハシゴだ!ボートレース下関に行くぞ!」なら小倉駅でも良いですね。

 

おまけ:黒崎駅前で呑む

ボートレース若松から無料送迎バスで黒崎駅まで戻り、予約してあったホテルにチェックインして荷物を放り出してすぐ傍にある「エビス屋昼夜食堂」へ。なんとこの店24時間営業(月曜定休)です。

魚介もおでんも何でもかんでもうまい。オールタイムうまい。メニューもやたら豊富、そういう意味ではとても贅沢なお店。カウンターのみで知らない者同士、肩触れ合う距離感ですがそれもまた一興。

最後に何かご飯物を…とヤキメシを頼んだら(炒飯じゃないのがいいね)がっつり一食分、結構な量のやつが出てきまして「残しちゃなんねえ」と頑張って食べたのは良いものの、苦しさで2時間ほど宿のベッドでゴロゴロすることに。こういうのはシェア出来る相手が居る時に頼むべきだった…でも美味かったです。

そしてもう1軒。何となくで調べて飛び込みで行ってみたら素晴らしくて大感動のお店だったのでここで紹介していきたい!というやつなのですが「朝菜夕魚」(あさなゆうな)というお店です。

なんとこのお店、南日本銀行の居抜き物件なんだそうです。

銀行居抜きの居酒屋なんて聞いたことないわ!という点でもテンション上がってしまいますよね。奥には支店長室や重厚な扉の金庫室が残してあったりします。

刺身盛りも大変に気前がいい盛りっぷりなのでとりあえずで頼んでみるのが良いのでは。

全体的に盛りが良いので、3~4品頼んだ所でこれ以上ないくらい腹パンッパンになってしまいました。もっと色々食べてみたいので今後も是非立ち寄ってみたいお店です。