行く
ボートレース多摩川へ行くルートは3つほどあります。
JR南武線/武蔵野線の府中本町駅から無料送迎バス、多磨霊園駅から無料送迎バス、そしてボートレース多摩川の最寄り駅である西武多摩川線の競艇場前駅、というのが公共交通機関を使ってのルートになるでしょう。
競艇場前駅はJR中央線の武蔵境駅からの乗り換えになります。
東京駅や新宿駅からであれば中央線快速で武蔵境まで来て乗り換えです。武蔵境をから10分ほどで競艇場駅に到着です。帰りのルートについても同じなので迷うことはないでしょう。
単線の路線なので競艇場駅で使用しているホームは1つなのですが、2つだった頃のホームが使われないままに残っていて、そこにはボートが展示されています。
続いて府中本町からバスを使うルートですが、立川方面、横浜方面からの場合はこのルートが良いでしょう。
府中本町駅で注意すべきは出口、改札です。改札は1つしかありませんが、土日など東京競馬場がオープンしている時にはもう1つ、臨時の競馬場口改札が開放されます。
これが本来目指す改札よりもやたら大きいですし大体の人はそちらにドヤドヤと向かいますのでつられてしまいがちですが、その反対側のこじんまりとした改札(写真参照)を目指して下さい。
改札を出たら左手すぐにバス乗り場があります。係員の人も立っていますし看板もありますのでそこに並びましょう。
時間帯にもよりますが、大体10分~15分に1本くらいのペースで出ています。道路の混雑状況次第ですが大体10分程度でボートレース多摩川に到着します。
そしてもう1つ、多磨霊園駅のバス乗り場ですがちょっと分かりづらいかもしれません。
改札を出て右側、坂を下っていく事になります。少し行った所に居酒屋とマンションに挟まれた、何も無い駐車場のようなスペースがあるのですが…実はそこがバス乗り場です。
周りには府中本町同様に係員の人が居るのでそれで分かると思いますが、初めて行くと「ここ!?」ってなるかもしれません。ご安心下さい。そこです。
場内設備
バスを降りたら目の前がボートレース多摩川の正門です。ちょっと奥まった所にゲートがあり、その手前に外向発売所「ウェイキーパーク」があります。
開設当初は8場までの発売でしたが現在は12場発売と大幅に拡大されています。そして2021年より本場のどこでも12場の舟券が買えるようになりました。
ゲートの手前、左手にはコインロッカーがあります。100円投入式ですが後でその100円は返ってくるタイプの無料ロッカーです。ウェイキーパークの開設に合わせて導入された真新しいロッカーです。
さてゲートを抜けて場内に入ると…「魚市場??」と初めて行った際は思ったものですが、何というか昭和感が色濃く残る建物です。
この1Fのフロア、非常に広いのはよろしいのですが密閉感はサッパリ無いので冬寒く夏暑い、という平和島1Fと似た状況です。予想屋さんはこの全員このフロアにおり、ブースが並んでいます。
もちろん屋内は空調が効いていて快適ですよ。
無料席のある2Fスタンドは椅子があり、3Fスタンドに階段を使って上っていくと(エスカレーターは2Fまで)無料ながらデスクが付いた席があります。そのため朝一並んでここを取りに来る人がとても多い人気席です。
さて競争水面側ですが、まず目につくのは芝生でしょう。
2017年までは1M側のみでしたが、2018年の初夏までに2Mまでの全面芝生化がなされました。週末などは子供がワーっと走っていたりして微笑ましいです。転んでも怪我の心配が無いのがよいですね。(1枚目の写真は芝生が無かった頃のもの。地面はアスファルトです)
そして競争水面の傍に近寄って下を見ると、ばかでかい鯉がウジャウジャいます。
何でこんなに居るんだろう…といつも思うのですが、鯉以外にも結構な種類の魚がおり、それを目当てに近くの多摩川からサギなどの中型鳥が飛来します。ふと気がついたら目の前の消波フェンスの上に止まっていてギョッとすることも。
大時計の所には確定表示板がありますが、これは2018年夏の終わり頃に新設されました。
そしてこの大時計の横には水上ステージがあるのですが、使ってるのをあまり見たことがありません。勿体無い。確か花火大会(後述)の時の市長挨拶などで使われていたような…それくらいです。
1M側には張り出たデッキがあり、より迫力のある近い視点でレースを観戦する事ができます。これもボートレース多摩川の名物と言って良いでしょう。夕方のこのデッキからの眺めは中々のものです。
2M側、ゲートを入ってすぐ左手にはステージがあり、開会式や表彰式などは全てここで行われています。たまには先述の水上ステージを使えばいいと思うんですがね…ライトや音響設備などが整っているのがこちらだからなのか何なのか。
Wifiについては本場と場外の有料席フロアのみ利用可能で、無料席・一般フロアに開放されているAPはありません。SSIDとパスワードはそれぞれのフロア内の壁などに貼られています。
さて、有料席の設備についてです。
非常に古びていた味のある有料席たちでしたが(まあその分500円と安かったのですが)取り壊されて2021年の夏にリニューアルオープンとなりました。
・シングル席 1500円
・ペア席 2500円
・グループ席 定員6人席/4000円 定員8人席/6000円
まず有料席を取るにあたり整理券を貰う必要があります。
この整理券は開門1時間ほど前から正門前で警備の人が配っています。シングル席・ペア席の人は通常の整理券のみ、グループ席を取りたい人はグループ席専用の整理券と両方取る必要があります。
そして開門後に場内の最も奥にある「指定席入場口」の手前にて整理券番号順に整列を行い、1番から呼ばれて好きな場所の席を買っていく、ということになります。
日祝日でもない限りは整理券が無くても席は購入可能ですが、ここが多摩川の弱い所、伝統的にダメなところで、大屋根が無いという構造により前3列くらいは直射日光が差し込むことになります。
真夏日は地獄を見ることになるため、おのずと席は最上段から埋まっていきます。整理券の早い番号を取るのは「いい席」でなく「普通に過ごせる席」を確実に取るためなんですね。結果、最前列は最後の最後まで残ります。
では、もっとも座席数が多い1500円のシングル席から紹介していきましょう。
モニター付属、コンセントも脇についており、そこそこのボックス感もあり、やはり新しく作られただけあって「今時」な座席スタイルです。フロア内に何台かある自販機ドリンクもフリーとなっており、まあ値段相応かなと。(本当は1000円くらいだと嬉しい)
各所にはフリードリンク用の自販機、そしてキャッシュレス投票機が用意されています。この辺も今時の有料席スタイルですね。
こちらは2500円のペア席。座席が2つになった程度で、コンセントやモニタの設備は変わらず。2人で2500円なので1人でシングル席に行くよりも多少割安というメリットはあるでしょうか。
ただし座席数が少ないので整理券の早めの番号を取っておかないと確保は難しいでしょう。さらに最前列は直射日光のため、取れても灼熱の苦しみがある場合が…
こちらはグループ席。この写真は6名用の席ですが、8名用の席でもそう変わりません。
キャッシュレスカードを置いてタッチパネルで投票できるシステムがあるので券売機の方まで行かなくても買えるのはちょっと便利かな。ただし6名席の場合は最前列になりますので、ここも夏場は色々としんどい気がします。
本場の有料席は大体この3種類ですが、場外となるウェイキーパーク多摩川にも有料席が2種類あります。
こちらを取るメリットとしてはナイター終了の21時まで居られること、こちらでもキャッシュレスカードが使えてポイントが貯められること、そしてスタンダード席はモニタ付属・USBポートで充電可な上で1000円とお安いことでしょうか。
なお自販機のフリードリンクはなし。
ウェイキーパーク多摩川のもう一つの有料席が完全に周りを壁に囲まれた密閉感満点のプラチナ席です。
席料が2000円しますが自販機でのフリードリンクあり、自席から投票できたり食事を届けてもらえたりなど付帯サービスが色々ついています。非開催日に来て、朝から晩までやり倒すぞ!!という時には非常に恵まれた環境と言えます。
おまけ:ROKUに潜入
ここ数年で全国各地のボートレース場にはROKUという観覧施設ができました。多摩川も例外ではなく、有料席のリニューアルに先駆けてROKUを建設した経緯があります。
ボートレース振興のための施設で、申し込んで無料で借りられるのですが当然の事ながら人気があって土日は倍率も高いので中々難しい。平日ならそこまで、という状況だそうです。
観戦する
ボートレース多摩川は「日本一の静水面」とよく呼ばれていますが、その立地上あまり風が吹かないのが大きいでしょう。
周りに山もなければ海もない、都市の平野部の中にドンと水面があるということで天候が悪さをするとすればゲリラ豪雨や台風くらいでしょうか。雪も降りますが都内ですのでそこまで大雪にはなりません。
晴れた日などは1M側、是政橋の向こう側に富士山が見えたりします。正月は1月2日あるいは3日くらいが初日になるのですが、その際には甘酒が振る舞われたりします。それを頂きながら富士山が見えると、何というかラッキーな気持ちになれるかもしれません。舟券が当たるかは自分次第ですが。
おまけ:花火大会があります
ボートレース多摩川では毎年7月の最終週あたりの金曜日に府中市主催で花火大会が開催されます。
ボートレース多摩川自体は青梅市が運営(府中市は平和島運営)なのですが、場所は府中市なのでこの手のイベントは現住所基準でやるんですね。どういう取り決めかはよく知りませんが。
最後には1M側でナイアガラもやります。ターンマークのシルエットがまた非日常感があってよいですね。
普段レースを見に来る場所で、そのレース場となっている競争水面から花火が打ち上げられるのは視覚的にかなり面白いですね。規模も中々に大きいため当日は毎回とんでもない数の人で賑わいます。
SG優勝戦以上の人密度になるんじゃないでしょうかね?実際どうかはわかりませんが。「普段からこのくらいレース見に来てくれたらスタンドなんかすぐに建て替え出来るんだけどな…」とビール呑みながら思ったりもします。
花火大会の日程は毎年、広報ふちゅうの7/1号辺りに掲載されます。
食べる
ボートレース多摩川の食事事情ですが、まあ中くらいといいますか、よりどりみどりではないけど食べるにはあまり困らない、悪くないという印象です。
朝食というか軽食がちょっと弱いかな??というくらいです。その辺は競艇場駅前のローソンか、本場の脇にデイリーがありますのでそこでカバーを。
食事処としては…
2M正門寄り:レストラン「リップル」、カレー屋、ラーメン屋、売店
1M本場奥の方(有料席フロア):レストラン「ウェイキー」
といったラインナップです。
まずはレストラン「ウェイキー」から。ここ最近場所が移りまして場内の一番奥に行ったらすぐに発見できるくらい目立つ場所にあったのですが、そこから更にエスカレーターを上がっていく特別観覧席(有料席)フロアに移転しました。上がった所で特観席ゾーンとは入り口が分かれていますので、誰でも利用可能です。
バクチめしとして最も有名なのがこのウェイキーで食べられる牛炊。牛テールスープの雑炊でゴロっとホロホロの柔らかい牛肉が入ってネギをパラリとしたシンプルな作りです。初めて行ったならこれでいいんじゃないでしょうか。
食べている途中で添え物のキムチを入れて味を変化させるなどの楽しみもあります。混雑している日など、妙に塩っ気がない場合もありますが…「なるほど今日は高齢者向けセッティングか」等と適当に納得して食したりもします。
ウェイキーには他に日替わりランチもありますし(入り口のガラスケースで内容をチェック)、非常にスタンダードな作りのラーメンもあり。煮込み定食なども安定の一品ですね。チャーハンはスープ付き。あと日替わりにはよくカツが載る気がします。
もう一つの大きな食事処として、2023年4月にオープンしたのが「リップル」です。こちらは入場ゲート入ってすぐ右手にあります。
ウェイキーとはまた違ったラインナップで酒類の購入も可能です。こちらの名物は…何なんでしょうね。ワンタンメンがたまに推されている感じがします。定食、丼、麺と一通り揃っているのでちょっと目移りしますね。
リップルのお向かいには別途として(歴史のある)飲食コーナーがありまして、こちらは牛すじカレーなどが人気です。
その他として、売店があちこちにあり、飲み物や軽食、串もの、アイスや揚げ物などが購入できます。
おまけ:ボートレース多摩川のコラボ酒がある
ボートレース多摩川を主催する青梅市に小澤酒造という酒造があり、そこで「澤乃井」というブランドを持っています。
その澤乃井をベースにボートレース多摩川専用の銘柄「万舟」が製造されています。味は淡麗辛口。この万舟は普段は購入することができず、毎年3月頃に行われる企業杯「澤乃井カップ」でのみ販売される割とレアな酒です。しかも当日は12R販売中にのみ買うことが出来るというハードルの高さ。(1Rから売ると本場の中で飲んでグデングデンになる人が多くなるから…)
11Rまでに購入資金を稼いで万舟買って帰りましょう、というわけです。
泊まる
ボートレース多摩川近辺の宿泊施設としてはあまり多くありません。近場で選ぶとなると府中駅の近辺でしょうか。西東京サイドでは更に立川まで行くと選択肢は多いようです。
参考リンク: 調布・府中のビジネスホテル(じゃらん)
参考リンク: 池袋駅周辺のビジネスホテル(じゃらん)
参考リンク: 新宿駅周辺のビジネスホテル(じゃらん)
参考リンク: 上野駅周辺のビジネスホテル(じゃらん)
参考リンク: 蒲田・大森駅周辺のビジネスホテル(じゃらん)
翌日の動向次第ですが、例えば他場に行くのであれば新宿辺りが良いのではないでしょうか。新宿からですと戸田は埼京線で1本、江戸川も都営新宿線で1本、平和島は中央線で神田まで行き京浜東北線に乗り換えて大森、という1回乗り換えのルートで行くことができます。